共に歩く
いくつになってもいいものです。「共に歩く」ということは。慣れしたしんだ東京の家を離れ、訪れた館山の別荘。
自分の家とは違うその空間で、まずは自分たちの荷をほどく。持ち込んだのは、肌に馴染んだ衣類や道具たち。いつもと違うその場所は、少しずつ、私たちの場所になっていく。
久しぶりに持ち出したギター。館山の空気を吸いながら、奏でる音もどこか響きが良く、開放的な空へと流れていく。
庭で語らい、そして笑う。どこにいても、私たちの距離は同じ。同じ時を重ね、同じ道を歩いてきた。館山と同じ心地よい空気感で。
二人で作る料理も、なぜか今日は心が弾む。昨日から考えた大好物のメニューの数々、美味しい香りが心を温かくしていく。
小さな旅に、乾杯。なんでもない日も、特別な日になる。館山で過ごす私たちだけの時間。また来ようね。月明かりに照らされ、静かな夜が更けてゆく。